ミシガン州のコミュニティカレッジ:Oakland Community College(OCC)でのESLの勉強内容

アメリカ生活が始まり、数か月もすると駐在されている奥様はそろそろ英語の勉強を始めたくなってくる頃ではないでしょうか?英語の勉強には様々な方法がありますが、駐在の方々は大抵、家庭教師(tutor)、近所のパブリックESL(図書館や、公共施設で行われている)、コミュニティカレッジのESLなどを候補として考えられると思います。今回は、ミシガン州Farmington HillsにあるOakland Community college(OCC)のOrchard Ridge CampusでのESLのご紹介をします。

※英語の家庭教師のレッスンに興味のある方は、こちらの記事もご覧ください→アメリカでのチューターレッスンのメリット・デメリットなどの情報

OCCとはどんな学校?

OCCは公立の2年生大学です。4年生大学に比べると学費が低いこともあり、2年間コミュニティカレッジで勉強した後に、4年生大学に編入して2年間だけ4年制大学に通って卒業する道もあるそうです(ただ、めちゃくちゃ勉強しないと編入は難しいみたいですけどね)。基本は地元の人たちが通うために作られたものらしいので、寮とかもありません。入学を希望する人は、基本、誰でも入学できるそうです。でも、単位取るのはそれなりに勉強もしないとダメですし、出席にもとても厳しく(アテンダンスポリシーがあって、確か3回欠席したら単位取れないです)、宿題も毎回沢山出ます。そしてお値段が高いです。1クラス受講するのに、日本円で6万円くらいです。

ESLのクラスは超初級クラスのBridgeクラスがあり、さらにレベルⅠ~Ⅳまでグラマー、リスニング、ライティング、カンバセーションクラスなどがあります。最初に授業に参加してみて、どうしても自分には合わないと思ったら、1週間以内でしたら、クラスの変更も可能です。先生にも授業が分かりやすい、優しい、厳しいなど当たりハズレや、自分に合う合わない等がありますので、生徒間の口コミは大事です。

宿題は多いので、受講する場合は宿題に追われます。OCCのESLを受けるということは、OCC中心の生活が始まると思うくらいの覚悟は必要だと思います。

MTELP(レベル確認試験)を受ける

入学の申し込み(レジスター)をすると、MTELPというマーク式の英語の試験を受けることになります。どういった内容のテストかと言いますと、大学のセンター試験の英語や、TOEIC、TOEFLなどと似ています。グラマー、リスニング、リーディングの問題もあります。それなりに難しいのですが、日本で大学入試で勉強した人などは意外に高得点を獲得できます。

1つの教室に集められて、MTELPを受けるのですが、なんと問題が書かれている冊子が使い回しだったりします。で、不運にも前にその冊子を利用した人が問題用紙にへんな書き込みをしていると(消しゴムで消してありますが、うっすらと跡が残っています)、それが気になって仕方なくて気が散ります…。例えば、グラマーでA、B、Cの三択問題があり、自分は明らかに答えはAだと思っているのに、問題用紙の三択のBのところにエンピツで〇が書かれているのが残っていると、「えっ!?Bなの?うそでしょ?Aだよね…」と内心思うわけです。こういう無駄な格闘をしながら、私はなんとかテストを終えました。

面接でクラスを決める

MTELPの結果をもとに、面接を行います。どういう目的でESLクラスを受けるのか、将来どういうスキルを身に着けたいのかなどを話し合います。私は、ただ単に英語で難なくコミュニケーションを取れるようになりたい!ということが一番の目的でした。もともと英語はそんなに嫌いではなく、大学入試でも英語はそれなりに勉強したタイプなので、MTELPの点数はそこまで低くなく、ESLのクラスはⅠ~Ⅳまでレベル分けがある中で、私はⅢのクラスを勧められました。

でも、MTELPの点数が高くても、自分の会話力はそれに伴っていないことは分かっていましたし、私は単位とか関係なく、ゼロからしっかり英語を身に着けていきたかったので、友人からも事前に勧めてもらっていた”ブリッジクラス:Bridge”という、ESLのⅠを受けるレベルに達していない生徒が受ける超初級クラス(単位ももらえない)をまず受けてみることにしました。

ブリッジ:Bridgeクラス

OCCのブリッジクラスは、アメリカに来てすぐ(1か月くらい)の私にとっては、とてもとても楽しく、本当にためになり、受けて良かったと思ったクラスです。

ブリッジクラスは、私の時は、先生は30代後半くらいの男性でした。クラスの人数は10人で、アフリカ人の男性1名、イラク人の男性3名、イラク人の女性2名、日本人の女性3名、ロシア人の男性1名でした。(セメスターにより、先生も生徒数も変わります。)

日本人の生徒は、もちろん駐在奥様で、皆さんMTELPの得点はそれなりに高かったのですが、やはり英語を基礎からしっかり学びたいということでブリッジを選択されていました。他の国の生徒は、アメリカで仕事をしながら、ブリッジも受講していました。仕事をしているだけあって、皆さん英語はペラペラに話せたのですが、英作文や文法が苦手で、そこを何とか克服するために受講していました。なので、私は、クラスメイトと話すだけでも、かなり英語の勉強になりました(グループワークが多いため、沢山話します)。

苦手分野は違いますが、皆それぞれが英語を上達させたい!という強い意志のもとで集まっているし、単位も関係なく、クラスの雰囲気はとても和気あいあいとしていて、先生も楽しくて授業が分かりやすく、とにかく楽しいクラスでした。

ブリッジクラスでは、まず、単語もどんどん覚えていきます。一番楽しかった授業内容は、毎回のレッスンで先生がその日に教えたい英単語を10個くらい(例えば、vice-versa、snob、to have a ballなどなど色々です。)を挙げて、その単語をどういう時にどういう風に使うかという具体例を楽しいエピソードも踏まえて、まず説明してくれます。次に、先生が「はい、ではあなたはこの単語の内容を説明して!」とどんどん生徒をランダムに指名して、生徒はそれをその場ですぐ説明しなければいけないというものでした。私は突然指名されると焦りましたし、英語で説明するのはものすごく難しいので、ジェスチャーを踏まえながら必死に説明していました。あまりにも説明が難しい単語の時は、全く話せずにジェスチャーのみで説明したことがあり、これにはクラスメイト全員が大爆笑していました。でも、この”すぐ答えなければいけない”というレッスンでかなり私は鍛えられたと思います。

英作文も、基本となる接続詞の使い方からとても丁寧にしっかり教えてもらいました。さらに、作文を書く時のセンテンスの流れのコツも伝授してもらい、ブリッジクラスが終わる頃には、英語の長文が普通に書けるまでになりました。

宿題も出て、習った単語を使って作文を書いたり、また、家で自分の好きな映画を1つ観て、その内容をクラスで発表したりもしました。

私は、アメリカで家庭教師(tutor)のレッスンも受けたことがありますし、パブリックのESL(ファーミントンのESLやノバイの図書館)などにも足を運んだりしましたが、OCCのブリッジクラスが一番楽しくて鍛えられ、どのESLのクラスよりも思い出に残っています。

ESLレベルⅠグラマークラス

ブリッジクラスの後、次のセメスターはESLレベルⅠのグラマークラスを受講しました。ブリッジクラスとはうって変わって、ちょっとクラスの雰囲気も緊張感があり、内容もアカデミックになり、生徒の数も教室いっぱいになりました(30人くらい?だったかも)。本当に色々な国の色々な年代の生徒がいました。タイや韓国、中国、インド、ロシア、アフリカ、イラク、イラン、ポルトガル…、そして10代くらいの若い子から、60代くらいの方まで。

クラスでは文法を勉強します。勉強する内容のレベルはまだまだ簡単なものが多いのですが(中学~高校1年生レベル?)、そういった文法を使って作文(PCで1枚以上書いて、それをプリントアウトして提出する)を書く宿題がとにかく容赦なく毎回バンバン出ます。例えば、「genderについて」とか、時にはアメリカでの公式文書の書き方を勉強して書いたりもしました。私はブリッジの時に作文の書き方を沢山教えてもらっていたので、既に長文作成には慣れていたので良かったなと思いました。最終テストもあり、その際にはターゲットグラマー数個を盛り込んで、与えられたトピックに関して作文を時間内に書きます。今まで提出した宿題と、最後のテストの結果で、合格判定が出されます。

ESLレベルⅠカンバセーションクラス

カンバセーションクラスは、レッスンの3回に1回くらいの割合で、クラスメイトの前でプレゼンがあります。ある程度のプレゼンの内容を先生が提示して下さるので(例えば、「自分の国とアメリカの文化の違い」や、「自分のすきなもの」など)、事前にパソコンで資料を作成し、話す内容も作文で書いてプリントアウトし、それを用いてプレゼンします。自分のプレゼンを先生がビデオ撮影してくれるので、家に帰って、自分の発音やしゃべり方などを振り返ることができます。

また、アルファベットの発音もしっかり勉強できます。1つ1つのアルファベットを発音する際に、舌の位置をどこに置くかといったこともしっかり勉強します。発音の聞き取りテストもよくやりました。そこで驚いたことは、私は何度聞いてもLとRの発音の違いが分からず苦労したのですが、アメリカに来てすぐの19歳の日本人の女の子は、あっという間に違いを聞き分けられるようになって、毎回聞き取りテストで満点を取っていたのです!若いって…すごい…。これにはびっくりでした。

宿題は、プレゼンの前は、プレゼン資料の作成ですが、それ以外は大抵、作文。あとは、毎回授業の始めに、生徒2名ずつローテーションで、自分が気になったアメリカの最近のニュースの内容をプレゼンするというものもありました。私は、アセトアミノフェンの飲み方には注意が必要とかいうニュースについてプレゼンした覚えがあります。

どのクラス(カンバセーション、グラマー、ライティングなど)にも言えることですが、グループワークが多く、それがなかなか大変です。日本人の私は自分で言うのもへんですが謙虚だし、あまり自分が!という姿勢がないため、他国の生徒の自信たっぷり&自己主張の強さに圧倒されがちです。でも頑張って話さないといけないし、ぶっちゃけ疲れます。グループワークで話し合っているときに、答えが1つで、確信を持ってこれが正しい!と思った時は、他の人がごちゃごちゃ訳が分からない主張をしていても、OCCでは「I don’t think so!」と、ピシっと否定できるようになれたので、これは成長したな~とは思いましたが。あとは、先生が何かを説明した際に、質問を受け付けたりするのですが、そういう場面で質問することはずっと苦手でした。ま、理解しているから質問する必要はないのですが、他国の生徒は、「は?そんなくだらないこと質問するの?」といったどうでも良いことを堂々とどんどん質問していて、これには引きまくってしまい、あぁ疲れるな…とよく思っていました。

ESLレベルⅡグラマークラス

レベルⅠよりももう少し難しい内容の文法を勉強します。宿題や授業の雰囲気もレベルⅠと似ており、習った文法を使って作文の宿題が出ることがほとんどでした。最後のテストもターゲットグラマーをいくつか必ず文章に盛り込んだ上で、決められたトピックについて作文を書くというものでした。

レベルⅠから継続して受けていれば、流れもだいたい分かっているので、問題なく進んでいけます。が、もしも私が当初勧められたままにレベルⅢとか突然受けてしまっていたら…たぶん訳が分からなくて、分からないなりにも頑張ったとは思いますが、めちゃくちゃ苦労しただろうな…とは思います。もちろん、これは私の個人的な意見です。アメリカに来る前から英語が得意な方は、普通に難なくこなしていけると思います!

その他のクラス

私は途中で妊娠したため、それ以上のクラスは受講しなかったのですが、上のクラスになればなるほど、授業も宿題も大変になるのだと、上のクラスの友人が言っていました。妊娠しなければ、私も上のクラスも受けてみたかったです。

OCCのESLの課外レッスン

授業以外に、任意でカンバセーショングループに参加できたり、文法のレッスンがあったり、自習室にパソコンが並んでおり、そこで英語の学習プログラムがあったり、自分の意気込み次第でどんどん英語の勉強ができます。食堂もあるので、そこでランチも取ってしまえば、丸一日、英語の勉強漬けにだってなれますよ!

アメリカ・ミシガン州の旗

まとめ

OCCは値段は高いのですが、その価値はあると思いました。学生として必死に宿題したり、他の生徒とグループワークしたり、プレゼンしたり、これらの経験は必ず自分の英語力にプラスになりますし、なかなかしたくてもできない経験です。アメリカのコミュニティカレッジがどんな雰囲気でどんな風なのか、自分で学んで知るっていうのも楽しいですよ。雨の日なのに、誰も傘を使わずに洋服のフードを被り、他国のクラスメイトと一緒に駐車場まで走っていくだなんて、日本じゃ絶対ない経験で、今思うとこういう何気ないことも良い思い出になっています。なので、皆さん、もしもOCCどうしようかなと悩んでいらっしゃったら、ブリッジだけでも受けてみるのも面白いと思います。

 

※英語の家庭教師をアメリカで探そうと考えている方は、こちらの記事も参考にしてください→アメリカでの英語の家庭教師のレッスン情報&メリット・デメリット

 

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