アメリカで出産:メリットとデメリットのご紹介

この記事は2022年10月に更新しております。

アメリカと日本の両国で妊娠出産を経験した、私の経験談をもとに、アメリカで出産することのメリット&デメリットを今日はご紹介させていただこうと思います。

この記事の内容は、アメリカ赴任されている日本人夫婦を対象にしておりますので、ご主人様がアメリカ人の場合や、出産だけをアメリカで考えていらっしゃる日本在住の方には当てはまらない内容が含まれておりますので、ご注意ください。

アメリカ出産のメリット

アメリカ出産

メリット①アメリカ国籍が取得できる

これが1番のメリットだと思います。アメリカ国籍を取得することで、18歳まで公立の学校料金は無料、大学も入学金が半額になるところもあります。ビザなしでアメリカに長期滞在も可能です。

メリット②分娩から出産まで全て同じ病室(LDRといいます)

日本ですと分娩室で出産し、その後、別の部屋へ移り、赤ちゃん同室で入院期間を過ごす病院が多いのですが、アメリカの場合は分娩から出産、退院するまでずっと同じ部屋で、ずっと母子同室であるLDRが普通です。

メリット③無痛分娩

無理して痛い思いをする必要はないという考えから、アメリカでは無痛分娩が普通です。これをメリットとするか、デメリットとするかはご本人次第ですが、日本では無痛分娩はあまりありませんので、一応、メリットの方に入れてみました。ただ、無痛分娩が嫌な場合は、日本のように普通分娩もできます。私は、麻酔のタイミングを逃し、意図せずに普通分娩になりました。

アメリカ出産

メリット④ミドルネームが付けられる

アメリカ人のように、苗字と名前の間に、ミドルネームを入れることができます。日本で生活する場合には全く意味はないのですが、記念として入れるのも良いですよね。

メリット⑤英語環境で生活できる!

お子様が生まれた時から英語の環境で生活できますので、そのまま英語を続けていくと、将来的に英語が得意になれる可能性大です。

メリット⑥離乳食は作らない文化!

これもメリットかデメリットかはご本人次第なのですが、アメリカは働くママが多いため離乳食を作らない傾向にありますので、内容を気にしなければ離乳食が沢山売っています。郷に入っては郷に従えということで、離乳食を全部アメリカンスタイルでほとんど購入するというのも、時短になって良いと思いますし、誰も責めません!ただ、日本で販売されているようなお米主体の雑炊などの離乳食や、日本人が好みそうな離乳食はあまりアメリカでは販売されておらず、アップルピューレ、にんじんピューレなどの瓶詰やパウチのものが多かったり、日本人のお母さん自身が試食してみて味が好みではない商品も多く、やっぱり手作りする!という日本人ママもいらっしゃいます。

日本では赤ちゃんの最初の離乳食といえば”おかゆ”ですが、アメリカでは”オートミール”のようです。アメリカ人の病院の先生に、離乳食としておかゆを与えているというと、「そんな栄養のないものを与えてるの?」と言われてしまう事も…。まさに文化の違いですね!

 

アメリカ出産

メリット⑦予防接種先進国のため、日本では任意接種の予防接種でも漏れなく受けられる

日本でも定期接種として受けられる予防接種の種類が近年では増えてきましたが、アメリカは日本よりも定期接種として受けられる予防接種の種類が多いです。また、アメリカですと、生後数時間ですぐにB型肝炎の予防接種を打つなど、日本とは異なることがあります。

詳しくはアメリカの予防接種スケジュールの記事をお読みください。

メリット⑦アメリカ人は赤ちゃんや子供に優しい

アメリカでは、赤ちゃんを連れて買い物に行けば、誰もが親切にしてくれます。ベビーカーをひいて歩いていれば、お店のドアを必ずその場にいた人が開けたままキープしてくれますし、大人に限らず、中学生や小学生の子供達も赤ちゃんを見て「So cute!」と優しく声をかけてくれたりします。私が、フードコートでベビーカーをひきながら、注文した食べ物のトレーをなんとか片手で運ぼうとしていた際に、小学生の男の子が「お手伝いしますよ!」と言って、トレーをテーブルまで運んでくれたこともあり、私は本当に感激してしまいました。赤ちゃんが泣いていたら、代わりに頑張ってあやしてくれる人さえいます。こういうところは、アメリカのとても素晴らしいところです。

アメリカ出産のデメリット

アメリカ出産

デメリット①妊娠中の胎児のエコー写真はほとんどナシ

日本ですと毎回の妊婦検診で胎児のエコー写真を撮ってもらえる病院が多いです。でも、アメリカは必要性がない限り、毎回のエコー検査はなく、妊娠中のエコー写真はトータルして2回くらい撮ってもらえるだけです。エコー写真を沢山欲しいママにとっては残念かもしれません。
もちろん、アメリカでも妊娠中に問題がある場合は、エコー検査を必要なタイミングでしてもらえます。私も妊娠初期に問題があり、エコー検査をしたため、その際のエコー写真が他の方よりも多く残っています。

デメリット②出産時に英語!

もともと英語が得意な奥様、または英語が得意なご主人様がいらっしゃれば全く問題ありません。問題はご夫婦2人ともそこまで英語は得意ではない場合、出産時の専門用語やら色々なことを、英語で病院の方たちとやりとりしないといけません。日本語の通訳さんが付いてくださる病院もありますが、真夜中などは通訳さんは付いてくださらないこともありますし、予定より早い時間に出産した場合にも通訳さんが来るのが間に合わないケースも多々あります。なので、ある程度の病院の専門用語は英語で言えるようにしておきたいですね。

デメリット③無痛分娩の麻酔のタイミングが分からない

無痛分娩の際の麻酔のタイミングを自分で決めてお願いすることが基本のようで、それを知らなかったので、私は陣痛の痛みを我慢しすぎて、麻酔のタイミングを逃して、意図せずにそのまま普通分娩してしまいました。同じくアメリカで出産した友人も、陣痛で苦しんでいる最中に、偶然看護師さんが「そろそろ麻酔しなくて大丈夫?」と聞いてくれたお陰で、麻酔をすることができたと言っていました。

特に初産の場合は、陣痛も出産も全てが初体験で未知すぎて、ましてや麻酔のタイミングなんて分かる訳ないので…、出産前に「麻酔のタイミングが自分でもよく分からないから、できれば教えてほしい」と病院のスタッフに伝えておくと良いかもしれません。

アメリカ出産

デメリット④初乳を捨てられるかも!気を付けて!

これは私の経験談ですが、大学病院で出産したこともあり、研修生として勉強中の看護師さんも沢山いるため、偶然私を担当してくださった看護師さんに出産などの知識があまりなく、「初乳を絞って!」と言われたので初乳を容器に絞り出したところ、初乳って少ししか出ないのですが、それを意味がないと思ったようで、初乳を水で洗って捨てられてしまいました。初乳の大切さはアメリカでも分かっていると聞いていたので安心しきっていたのですが、たまにこういうこともありますので…みなさん、お気をつけください。

デメリット⑤産後にどこか痛いというと、結構強めの飲み薬を処方される

日本ではあまりない話ですが、アメリカ(私の出産した病院)では、産後の痛み(会陰や、産後の腹痛など)をドクターに伝えると、かなり強力な痛み止めの薬を処方されます。飲むのは自由ですが、初産でこちらも知識がないとそういうものだと思って服用しがちですが、日本では産後のこういった痛みに対しては薬は処方されません。私は薬を服用し、あまりに強力だったようで、そのために足がむくみました。服用したことを、後悔しました。(もちろん、他の深刻な症状でお薬を処方されましたら、必ず服用してくださいね!)

デメリット⑥母乳アドバイスは病院によっては皆無・乳腺炎になったら大変!

特に初産のママにとっては、母乳へのあこがれがある方も多いと思いますが、日本だと助産師さんに母乳の出を良くするためにマッサージしてもらったり、沢山のアドバイスもいただけて、母乳外来まであったりしますが、アメリカでは全くそういったアドバイスがもらえない病院も沢山あります。母乳マッサージも聞いたことがありません。

乳腺炎になってしまったら、日本ではマッサージなどで治療できますが、アメリカではそういう治療はしてもらえません。

乳腺炎予防・乳腺炎悪化防止効果のある、アメリカ出産後に常備しておきたいおすすめの漢方薬(3種類)の記事も是非読んでみてください。

アメリカ出産

デメリット⑦産後すぐに退院、そしてすぐに通院

出産は病気ではないという考え、また入院日数が増えるほどお金もかかるため、産後、普通に問題なく出産できた人は、出産の翌日には退院します。つまり、まだ痛みもひどく、まともに歩けない状態で退院です。

そして、頑張って退院したその3日後くらいに、生後5日目の赤ちゃんの検診のために通院が必要です。ご主人様がお仕事が休めない場合は、ママが自分で運転して、通院しないといけません。ハードです!

私も自分の体が全く回復していない状況で家から100㎞近く離れている病院まで、フリーウェイで車をガンガンに走らせて通院しました。初産でしたので、子供を連れて外出する状況にも慣れておらず、さらに出産の疲労、傷の痛み、睡眠不足などがあり、はっきり言って、大変でした。

デメリット⑧身内(親)がアメリカにヘルプに来られなかったり、タイミングが合わなかったり…


アメリカで出産の際に日本から身内がヘルプに来られない場合は、なかなか大変です!旦那様は仕事がありますので、ほとんどを奥様が1人でやらないといけません。

また、身内が来てくれることになった場合は、来てもらうタイミングをはかるのもなかなか難しいです。例えば1か月間のアメリカ滞在予定で自分の母親が来てくれる場合も、出産の少し前から来てもらおうとおもって出産予定日の1週間前に来てもらったとします。しかし、予定日を過ぎても赤ちゃんがなかなか生まれず、産後に沢山手伝ってもらいたかったのに、産後15日くらいで日本へ帰国…となってしまう可能性も…!!また、出産が早まり、旦那様も立ち会われてまさに今から病院で出産!という際に、ちょうどそのタイミングでアメリカの空港に到着した自分の母親を迎えに行けなくなってしまう…なんていうことさえ考えられます。

こればかりは運にも左右されますが、海外での出産となると、なかなか日程調整も難しいので、事前にあらゆる可能性を考えて対策を練りましょう!

デメリット⑨ワンオペ育児

アメリカでは車や家に子供だけ残して親が出かけることはNGですし、育児に疲れ果てても、ほんの少しだけ自分の親に子供を預けてリフレッシュさせてもらう…ということも身内が近くに住んでいない場合はできません。雪国で極寒の時期ですと、ちょっと外に散歩ということもできません。ご主人様は基本忙しいので、早朝から深夜まで仕事があってあまりあてにもならず、完全なるワンオペ育児になる可能性大です。

私はアメリカで育児中に、たぶんすごく疲れており、体力的にもストレスも限界だった時期に、どうしても無性に誰かが自分のために作ってくれる日本らしい手料理が食べたくなりました…。でも夫は出張ばかりで何日も不在でしたし、外は-10℃前後の極寒&大雪で買い物に行くのもはばかられる状況で…。それでもスーパーのお惣菜でも良いから食べたい!!と思い、頑張って子供を連れてスーパーへ行ったのですが、当然のことながら売られているものは洋食ばかりで、もう、どうにもこうにも心から疲れ果ててうんざりしてしまった時期があります。それだけ一人で疲れていました。友人はいましたが、大雪の中を呼び出すのも迷惑ですし、一人で乗り越えなければいけないのは分かっていながらも、疲労困憊ですごいストレスでした。そして、アメリカで育児をする限りこの状況が長期間続きます。海外でのワンオペ育児&身内が近くに誰もいないのは、やはり大変です。

アメリカ出産

まとめ

アメリカでの出産は、頼れる身内が近くにいないなど大変なことも多いですが、アメリカ国籍を得られたり、記念になったり、楽しいことも多いです。でもやはり、覚悟は必要だと思います。アメリカで妊娠された駐在妻の方で、どちらで出産しようか悩んでいらっしゃる方などに、今回の記事を参考にしていただけたら嬉しいです。

 

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