毎年やってくる日本の梅雨・台風シーズンの集中豪雨。川の近くにお住まいの方や、低い土地にお住まいの方は、ご自宅の水害をとても心配されていると思います。”線状降水帯”という言葉を天気予報で聞くたびにドキドキしてしまう方も多くいらっしゃると思います。
「今日の雨はいつもと様子が違う!」「川があと少しで氾濫してしまうかも!?」というギリギリのタイミングでも、少しでも家の財産を守るためにできることがあります。
実際に水害に遭遇して苦労した私の実体験をふまえて、避難前に少しでも時間があるならやっておいた方が良いことをご紹介いたします。今まさに危険が迫っている方だけでなく、いつかの水害に備えて、こちらの記事を参考にしていただけると幸いです。
水害が起こるかも!?何をする??
自然災害は突然やってきます。でも水害は地震などと比べて、備えられる災害でもあります。気象情報や台風のニュース、雨雲レーダーなどで自分の住むエリアにこれからどれくらいの降水量がありそうか、頻繁にしっかりチェックし、状況に合わせて臨機応変に行動していく必要があります。
避難するタイミングは、後から「空振りだった~!」”と笑えるくらいがちょうど良いです!でも実際はバタバタしたり、正常性バイアスが働いてギリギリまで家に残ったり…、後悔することをしてしまいがちなのですよね…。
長年住んでいると、普段とはなんとなく今回は雨や川の様子がおかしいかもしれない…!!??と少しでも胸騒ぎがすることもあると思います。そんな時は、その自分の感を信じて今すぐ避難へ向けて動きましょう!
早めの避難準備がカギ!!いざと言う時にすぐに避難できるように…
お子様やご高齢者などがいらっしゃるご家庭では、早め(明るいうち)に避難することが大切です。
水害の怖いところは、30分前は全く浸水するような気配がなかったのに、気づいたら膝下くらいまであっという間に浸水している!!というように急激に水位が上昇してしまうところです。
もうすでに外が暗い場合、膝上くらいまで水位が上がっている場合などは、自宅の2階以上や近所の高い建物などに垂直避難することも考えましょう!
避難までに10分しかない!!場合
もう10分くらいで家を脱出しないと危ない!!という場合は、以下のことだけでもギリギリで準備できると良いです。ただし、命には代えられませんので、いざと言う時は、安全最優先で何もせずに避難しましょう!!
今できることだけをやって、すぐ避難!!
準備①貴重品をリュックにまとめる
自分が避難する際に背負うリュックに、
・家にあるお金
・通帳
・印鑑などの貴重品
・仕事で使用するパソコン
・携帯電話、携帯充電器
・保険証書
・着替えリラックスできる上下&下着(家族分)・タオル
など、大切で身に付けておきたいものを入れましょう!できれば、全てジップロックで密封した上でリュックに入れると良い(避難時に濡れる可能性大!)です。もしも時間が無かったり、ジップロックがない場合でも焦らなくて大丈夫!!背負う予定のリュックサックに大きなゴミ袋をパカッとかぶせられれば、大丈夫です。
必ずタオルと着替えも入れておくと良いです。大雨の中の避難は、必ず濡れます。避難先で着替えられるリラックスできる上下の服・下着・靴下(ズボンは長ズボンが良い)が家族分あると良いです。
10分間でなんとか上記荷物を詰められると良いですね!!
避難時は、あるのならカッパを羽織ると良いです!濡れるので!!!
【余談:時間に余裕のある方向け】時間に余裕のない方はこの余談は飛ばしてください!
もっと事前にできるなら…いざと言う時のために、避難用リュックを準備されておくと良いと思います。しかも、水害に備える場合は、防水機能のあるリュックがあるととても安心で便利だと思います。浸水時の避難は、かなり高確率で大雨の中を歩きます。ひょっとしたら浸水している場所を歩く可能性もあります。せっかくの避難グッズが濡れてしまって使い物にならなかったら残念すぎます。
↓我が家が常備している防災バッグです!適当なものがだいたい揃っており、しかもリュックの防水機能もバッチリです。中身は自分仕様に少しアレンジした方が断然良いですが、必要不可欠なものが厳選されています。何をどれくらい準備したら良いのか分からない方にも、とてもおすすめのバッグです。
1人用と2人用のサイズ違いで販売されています。デザインもお洒落で、家のインテリアを損なわないので、普段から目につく場所に置いておいても違和感がなく、良いですよ。また、災害時は、真っ黒のリュックではなく、できれば明るい色だったり反射板の付いたリュックの方が夜間でも目立つ傾向にあります。↓でご紹介しているリュックは反射板も付いていますし、作りもしっかりしています。
↓防水リュックだけでもあると便利&安心です。ZATは安価ですが、防水機能はしっかりしています。
・ZAT ドライバッグ バックパックタイプ(ブラック・イエローなど4色展開)
※関連記事
防水リュック(バッグ)なら「ZAT」がオシャレでおすすめ!魅力・使い方・アレンジ方法のご紹介!
外へ避難する場合!!の注意事項
①避難前に家の電気のブレーカーを落とす&ガスの元栓を閉める!
水害により、停電が発生することは良くあります。その後、水に浸かった家具などが電気復旧と共に急に通電して、発火する危険性もあります。二次災害を避けるために、避難前に電気のブレーカーを落とし、ガスの元栓は閉めておきましょう!
冷蔵庫の冷気がなくなることが気になるとは思うのですが、私は避難で1日間家を空けましたが、冷蔵庫&冷凍庫は意外にも扉を開けずに放置しておけば、冷蔵・冷凍状態は維持されていました。
※避難先から帰宅して、まだ家が浸水している場合は、安易にブレーカーを元に戻さないようにしましょう。業者の方に安全確認をしてもらってから通電された方が安全です!
②浸水した場所を歩く場合は”長めの傘や棒”を使う!
浸水時は、マンホールの蓋が外れてしまっていたり、排水溝などの場所が浸水によってどこにあるのか分からなくなくなってしまい、とてもキケンです。ですので、傘などを杖代わりに使用し、歩く先に何もないことを確認しながら慎重に道を進みましょう!!
③スニーカーが歩きやすくて良い!
避難時は浸水していてもスニーカーがベストです。すぐに脱げてしまうサンダルは足の怪我も心配ですし、中に水が入って歩きにくくなる長靴なども避けましょう!
④浮くものはある?ペットボトルも使える!
浸水が結構な高水位の場合は、小さなお子様だけでなく大人の方でも、家にある水に浮くもの(水遊び用のライフジャケット、空の大き目のペットボトルを数本服の中に入れる等)を身に付けると良いと思います。
外へ出ることが危険な場合は家の2階以上へ!!
夜中で外が真っ暗な場合や、すでに周りが高水位の場合などは、外への非難が危険な場合もあります。その場合は、家の2階などへ垂直避難しましょう!
万が一の助けを呼べる際に使用できる、携帯電話(充電器も!)や懐中電灯、音の鳴るもの(スピーカーや笛など)、準備した防災バッグ、しばらく2階で待機するために空腹を満たす水や食料、また、いざと言う時にどう避難することになるか分かりませんので、運動靴も2階へ持っていくと良いです。
避難までに30分~1時間くらいある!!場合
避難までに30分~1時間くらいあるのなら、できるだけ家の被害が少なくなるように準備をしましょう!
準備①貴重品をリュックにまとめる
上述した”避難までに10分しかない場合”①貴重品をリュックにまとめる をご参照ください。
貴重品をジップロックなどに入れて、避難時に持ち運べられるようにしておきましょう!!
準備②家のドアの隙間・床面に近い換気口・窓枠などからの浸水を防ぐ
浸水を防ぐ方法①止水テープを貼る!!
止水テープは家の中への浸水を防ぐのにかなり有効だと思いますが、あまりに高水位で家が浸水してしまった場合は、この作業は無駄になってしまいます。また止水テープの代わりに、”水のう”や”土のう”を設置することも良いと思いますが、水嚢や土嚢は重いので、体力的&準備する時間的に難しい場合は、止水テープがおすすめです!!
家の中に水が入りそうかも!?ギリギリ大丈夫かも!?床上でも膝の高さまでくらいかも!?という危険のある方には止水テープを強くお勧めします。
止水テープを持っていない場合でも、防水性のありそうな太めのテープを試しにドアなどに貼ってみるのもアリだと思います。少しは役に立ってくれるかもしれませんよね…。
ドアの下部(側面・底部)の隙間に止水テープをしっかり貼りましょう!家の内側からではなく、できれば外側からテープを貼ると、貼ったテープが外側から浸水してきた水の圧力を受けてさらに強力に家の隙間を守ってくれると思います。テープを貼る時にドアが雨で濡れていてうまくテープを貼れない場合は、テープを貼る部分をタオルなどで拭く必要があります。もしも、ドアなどを拭いている時間がなければ、家の内側からでも良いのでテープを貼りましょう。
家の外側からテープを貼る場合は、玄関のドアは自分達が避難するタイミングで最後にテープを貼ることにして、その他の、床に近い勝手口のドア部分や床下換気口などをまずはしっかりテープでガードしていきましょう!床上1mくらいの浸水の可能性がある…という場合は、ドアだけでなく、家の窓枠(床に近い部分など)にもテープを貼っておくと良いです。
※止水テープも、防水性のありそうなテープも家にない場合は、水のうを自作して、出入口のドアの前に設置などして、家の中へ少しでも水が浸入してこないように工夫してみましょう!水嚢の作り方は下に説明してあります!
止水テープは常備していると、いざと言う時に安心です!
できれば、事前に専用の止水テープを常備しておくと良いと思います。
我が家は水害被害を受けた時に、玄関と勝手口のドアの底部の隙間から浸水してきました。隙間を塞いでおけば、もっと被害を食い止めることができたと思います。
これを教訓に、我が家は止水テープを常備することにしました。
↓まさに水害の際に大活躍する住宅用の止水テープです!私もこれを常備しています!使えますよ!!
15㎝幅のテープと7.5㎝幅のテープが販売されています。15㎝幅の方が幅がある分、作業効率も上がりますし、安心感は違います。15㎝幅のものを半分にカットして使うこともできますが、緊急で急いでいる場合は、テープをカットしている時間もないかもしれません。テープの幅は使用用途に合わせて選択されると良いと思います。
浸水を防ぐ方法②土のう・水のうを使用する!
↑DCMカーマ・店頭のPOPより。イメージ図
土のうや、水のう(次の項目に水のうの作り方を載せています。水でふくらむ吸水土のうを常備しておくのも良いです)を使用して、ドアや窓の隙間への浸水を防ぐこともできます。
大きなブルーシート(家にあるアウトドアで使用する防水の敷物でも良い)などを防水テープでドアの隙間をカバーするように貼り付け、その上に重しとして土のう・水のうを設置します。シートと土のう・水のうを併用することで、止水効果は上がりますが、もしもシートがない場合でも焦らずに、土のうや水のうをそのまま並べて、家への浸水をできるだけ避けましょう!また逆に、土のうや水のうがない場合でも、シートだけを防水テープでドアに貼って対策をすれば、何もしないよりも家への浸水を防ぐ効果は高くなると思います。
・アイリスオーヤマ 土嚢 緊急簡易土のう スタンダードタイプ 10枚
・超強力台風防水シート(超強力防水生地) サイズ:1460mm×1m 台風対策 浸水対策 雨漏り 水漏れ 撥水 防水
準備③大き目の水のうを作り、台所やお風呂などの排水口に置く
(この作業は体力・時間的に余裕のある人向けです。また激しく床上浸水してしまった場合は、この水のう作業は無駄になります…。床下浸水や数センチの床上浸水の可能性のある場合はとても有効です。)
水のう作りも時間が許せば絶対にやっておいた方が良いです。なぜなら、家が浸水する際に、排水管内で汚水が逆流し、家の中にその汚水がばらまかれてしまう危険性があるからです。
水のうは、家にあるもので簡単に作ることができます。大き目のバケツ(丈夫な段ボールや大き目の頑丈な箱でもゴミ箱でも入れ物なら何でも良いです)に、大き目のごみ袋の口を開いて設置し、その中に水道水を流し込みます。ある程度の水道水が貯まったら、袋の口を閉じて、台所、洗面所の手洗い、お風呂、洗濯機、トイレの便器の中&手洗いなどの家のあらゆる排水口に水のうを置き、そこからの汚水の逆流を防ぎましょう!
ゴミ袋に水がたまるまでに時間が少しかかります。あと1時間以内くらいで家が浸水するかもしれない!というような緊急事態のため、他の作業と並行しながら時間を有効活用し、水のうをどんどん作成していくと良いです。
私の知人の家は、床下の半分まで水が浸水しましたが、本来なら床上浸水は大丈夫なはずでした。が!!お風呂の排水口から汚水が噴水のように飛び散り…家の中で約1㎝くらいの汚水が溜まってしまいました。水のうを置いておけば、この被害を避けることができたと思います。
↓ゴミ袋で水のうは作れますが、こちらの水のう専用袋ですと、土のうの代用としても使用可能です。つまり、家の中の排水溝だけでなく、外で重ねて浸水を防ぐ際に使用できるので心強いです。
・旭電機化成 水タンクにもなる水のう袋 7枚入 ABO-2907 透明 30×12×高さ45cm(注水時)
準備④電化製品・大事なものを少しでも高いところへ移動
(この作業は、体力的&時間的に余裕のある人向け)
移動可能な電化製品や楽器、値の張るもの・大事なものや大事な書類などを優先的に高い場所(家の2階など)へどんどん運びましょう!
平屋の場合も諦めてはいけません!家の浸水は当然のことながら下からじわじわやってきます。家の中のできるだけ高い場所へ置いておけば、その分、その家具が助かる率が上がります。
私は、電化製品の他に、子供の習い事で使用している楽器類、子供の学校関係のグッズを2階へ運びました。
当然ですが、床上浸水2㎝の場合なら、2㎝以上の高い場所に置いてあったものは助かります!床上浸水50㎝ならそれ以上の高さのものは助かります。そう考えて、大事なものを優先的に”少しでも今より高い所へ”!!!
↓大き目の布団圧縮袋に大切なものを入れて、ジップロックになっている口の部分をしっかり閉めておくと、浸水しても中身が助かる率が上がります!!←実証済みです。私は中身が助かりました!!
・Opaza ふとん圧縮袋 特大サイズ 真空パック 4枚組【130×100cm 】
数時間前からできること
水の侵入を防ぐために土嚢(それに代わるもの)を家の外構などに設置
土嚢を普段から準備されている方は、すぐに土嚢を設置することができると思いますが、土嚢は保管場所も取り、重いので常備がとても難しいと思います。土嚢は破れたらこれまた厄介で、中から砂が出てきて大変です。
我が家は土嚢に代わるものをこれから準備しようと思っています。
土嚢に代わる水のう袋や、保管時はぺちゃんこなのに、水に数分間漬けておくことで土嚢が完成する防災グッズが販売されています。ただ、この水に浸けて膨らんだ土嚢は、ほとんどの製品は1回限りの使い切りタイプです。そこが気になる場合は、何度も乾かして再利用できるタイプもあります。ただし、再利用できる分、お値段は張ります…。
自然相手の水害は、来る前に準備する必要があるため、空振りも多いと思います。毎回、廃棄するような作業は虚しい…と思う場合は再利用できるタイプのものを常備しておいても損はないようにも思います。
↓再利用できる麻袋でできた給水土嚢袋です。
・伊藤忠リーテイルリンク 株 IRL 日水化学工業 吸水性土のうアクアブロック 再利用可能版 ND15
・土のう「アクアブロック」 ND-20淡水用(再利用可) 20枚入
↓こちらの吸水土嚢は再利用不可です。その分、お値段は比較的安いです。
・アイリスオーヤマ 土嚢 緊急簡易土のう スタンダードタイプ 10枚
水害後に忘れずにやるべきこと!!
残念ながら自分の家が浸水の被害に遭ってしまったら…、水害後にまずは何をすべきなのか?
水害後に忘れずにやるべきことがあります。
水害に遭いそうな地域にお住まいの方には、知っておいて損はない情報を別の記事でご紹介していますので、良かったら参考になさってください↓
水害後にやるべきこと&掃除に役立つ最強グッズのご紹介!床上・床下浸水したら片づける前に写真!!
まとめ
水害に備える準備編として、水害の前に家で準備できることをご紹介いたしました。
水害被害に遭った私の経験から学んだことを、多くの方のご参考に少しでもなればと思い記事にしました。災害は突然やってきます!まずは命を最優先に行動することが必須ですが、水害のように天気予報である程度降雨状況を把握できるものは、少しでも家の被害も防ぐことができると良いですよね!