この記事は2022年10月に更新しております。
アメリカで生活していると、日本との文化の違いに驚かされることが多々あります。特に、きちんと約束や時間を守る日本人にとって、耐えがたい文化の違いとして上位3位以内に必ず入る項目は、”家のモノの修理を依頼したのにきちんとすぐに対応してくれない”だと思います。アメリカの家に住んでいると、これまた日本では信じられないくらい家の中のモノが壊れます。そして、壊れた時にすぐに直しにきてくれなかったり、直したとしてもそれがいい加減で直っていないことさえあります。今回は、家のモノが壊れてしまった時、できるだけ早く直しにきてもらうためにどうしたら良いかを、私の経験をもとにご紹介します。
あらゆるものが壊れていくアメリカの家
私は築10年のアメリカの家(アパート)に住んでいた時、本当に様々なものがどんどん壊れていきました。築10年ですので、まぁちょうど色々なものが壊れる時期が重なってしまったのだとは思いますが、それにしても、え?これも?次にこれも!?…というようなものまでどんどん壊れていくので、常に”修理との戦い”つまり”管理センターとの交渉の日々”が続き、正直、これは本当に疲れました。
壊れたものの中でも、特に困ったものは2つあります。
1つ目は、シャワー室の排水管から水が漏れて、シャワー室に隣接する部屋(ベッドルーム)の絨毯に水たまり(直径1mくらい)ができたこと。
2つ目は、エアコン(セントラルヒーティング)からガス漏れが頻繁に起こり、とうとうミシガンの極寒の真冬に壊れて機能しなくなったこと。
絨毯の水たまりは、家の中をふいに歩いていてそこを踏んでしまうと、足がびしょびしょになったりして本当に嫌でしたし、エアコンのガス漏れもあり得なかったのですぐに直してもらいたかったのですが、きちんと対応してくれるまでに、まさかの数か月かかりました。どちらもあり得ない出来事が沢山あったのですが、今日はエアコンの修理の話に絞ってお話させて頂きたいと思います。
早く来て欲しい依頼は「as soon as possible」じゃなく「Immediately」で!
私の住んでいた家の場合は、同じサブディビジョン内に管理センターがあり、家の備え付けのものが故障した場合にそこに連絡すれば良かったため、私は管理センターに電話しました。
そして、できるだけ早めに来てほしい!という意味を込めて、言葉に「as soon as possible!」を入れてお願いしました。「できるだけ早く」という意味なので、こういう時に使えると思って、使ったのですが…。
しかし、「今日中に行きます!」と管理センターの人は言ったはずなのにまさかのその日に、来てくれず…。じゃあ翌日?と思っていたのに、翌日も来ない。さらに次の日の午前中も来る気配がないし、連絡すらない…という不思議な状況にびっくり。
夫が仕事なので、私1人で対応するのが嫌だったから黙って待っていたのですが、さすがに耐えられず、その日の午後にようやく私は管理センターへ直接行きました。私は、「2日前に電話したんだけど、どうなってるの?待ってるんだけど!すぐ来るって言ったよね?」と、勇気を出してかなり強気で1人で言いました。
そしたらですね…
管理センター:「できるだけ早めに行けるように努力しているけれど、仕事が立て込んでいてなかなか行けない。」だそうです。
アメリカ人の気質からして、こうやって時間がかかることは良くあることではあります。が、私の言葉の使い方も緊急性がなかったことに気づきました。
「as soon as possible」って、緊急性がないんですね。努力の域であって、日本人同士なら「できるだけ可能な限り早く!」って言うと、「そうだよね!急がないとね!」となるはずですが、アメリカではこの言葉は、「可能な限り」なので、言葉通り、「不可能だった場合は仕方ない。むしろ努力しているし、頑張ってるよ、俺!」くらいな雰囲気。
そして、もっとちゃんと交渉しないといけなかったとも思いました。早く来て欲しい理由や、こちらの気持ちもきちんと伝えないといけなかったと思いました。
私:「じゃあ、いつ来てくれるか、今ここで教えてほしいです。家の中に大きな水たまりができて、歩くたびに足が濡れて、非常事態でものすごく困ってます!今日は家にいるから、今日だったら立ち会えて説明もできます。すぐに来て欲しいです!(immediately:直ちに という表現を使いました)」と言ったら、
管理センター:「分かりました。あと30分後に行きます!」と言ってくれました。
2日前にアポを取ったつもりでいましたが、電話で一度約束したくらいでは、ダメでした。しかも「as soon as possible」ではなく、「immediately」という表現を使った方が良かったんだと気づきました。「immediately」の方が緊急性がありますので。
管理センターは30分後に来て、どんな状態か様子をとりあえずチェックして「また修理に来ます!」と言って帰っていきました。
そして…その後、まさかの放置…。2か月経っても、誰も来ない事態になるとは…。
2か月間誰も修理に来ない…
「また修理に来ます!」と管理センターの人が言ったのにもかかわらず、知らない間にどんどん日にちが経っていきました。
私も気にはなっていたのですが、私も忙しかったのと、英語の交渉はものすごくエネルギーを使うので、夫が休みの時に夫に交渉してもらいたいというのも本音で(でも夫は忙しすぎて、それどころではない時期だった…)、さらにシャワールームを使わなければ、水たまりは一週間くらいで消えるので、もう1つの浴槽のあるバスルームを利用していたため(アメリカの家はシャワールームやバスルームが複数あります)、水たまりの存在を忘れつつあったのも正直なところです。
ですが、シャワールームは浴槽のあるバスルームよりも掃除がラクなので、しばらくしてやっぱりシャワールームを使いたくなってきました。で、試しに使ってみたところ、当然のことながら隣室に大きな大きな水たまりができました!
「もうたえられない!!」
かなり我慢していましたが、本当にうんざりしたので、もう一度私は交渉しなければいけなくなりました。でも、何度言っても動いてくれないのにも本当にうんざりしていたので、こちらの出方を変えることにしました。
ここで、私はアメリカの正式文書(英文レター)を作成することにしました。ちょうど通っていたコミュニティカレッジ(OCC)でタイムリーにアメリカの文書の書き方の勉強をしていたのでした。
アメリカの交渉事にはレターが効果的!
「よーし、こうなったら英文レターを書いてやる!」と意気込む私。
コミュニティカレッジの先生が言うには
「アメリカでは交渉などをする場合は、正式にはレターが必要になります。書き方の書式も決まっているので、このやり方を覚えましょう!そして今日の宿題は、レターを書いてきてください。抗議、交渉、お願い、伝えたいことなど、特定の機関や人に対して、書いてみましょう!」
なんてタイムリーなのでしょうか!私は、自分のサブディビジョンの管理センター宛ての英文レターを宿題でまず書きました。詳しい内容を書いてしまうと、私個人が特定されてしまう可能性がありますので書けませんが、だいたいの内容としては、
「〇月〇日に水たまり発生。その後何度依頼しても修理に来ない。家のシャワールームと水たまりができたベッドルームは使い物にならないので、修理を終えるまで、その分の家賃を○○ドルに下げてもらう必要がある。修理する意思があるのであれば、今すぐに取り掛かってもらわないと困る。」等の、遠慮がちな日本人の私からしたら、かなり強気なレターを作成しました。
そして、宿題だったので、細かい英文のミスは、先生の添削が入って、パーフェクトなレターが完成しました!!
アメリカ版英文レターの書き方
ここで私がどういう書式で英文レターを書いたか、ご紹介します。英文レターはアメリカ式とイギリス式で若干内容が違ってきます。今回はアメリカ式のレターについて書き方をご紹介します。下の図のような感じです。
全部、左詰めで書いています。注意点は、必ず自分の直筆サインが必要ということです。
英文レターの効力はすごかった!
私は英文レターを直接管理センターへ持っていき提出しました。その後、用事があったのでそのまま出かけたのですが…帰ってきてビックリ!!
勝手に誰かが家の中に入ってる!!!!!!?????
と思ったら、まさかの管理センターの修理のお兄さんが、勝手に入って、色々修理を始めていました…。
そして私を見て、笑顔で、
「今、ここをチェックして、で、ここの中も確認しています。あと、水たまりのところは、消毒しておきました。」とのことでした。「きちんとやりますからっ!!」っていう空気はものすごく伝わってきたのですが…、
私の許可なく勝手に家に入って、勝手に洗面所の扉もあけて中のものを出したりして、しかもベッドルームの水たまりに訳も分からない消毒までして、その水たまりの跡に扇風機の大きいもので風を送って乾燥させたりしてくれていました…あぁ疲れる…。英文レターの効力はものすごくありましたが、これは文化の違いなのね…と、どこまでも疲れつつ、そして「私の在宅時に家の中に入って修理してほしい」と伝えないといけなかったのだなと、気づきました。ま、でもようやく修理してもらえたので、今回は良しとしました。
まとめ
今回は、家の中のものが壊れた際の、修理の依頼の仕方についてご紹介しました。要点をまとめると以下になります。
・築年数が長いアメリカの家の備え付けのものは壊れやすいものが多いです。
・修理を依頼するときは、いかに早く直してほしいか、その理由も含めて、修理してくれる人に最初にしっかり交渉しましょう。「immediately」という言葉は緊急性があります。
・どれだけ頼んでも修理してくれない場合は、英文レターを提出するのもおススメ。
・修理をするときは、勝手に留守の家に入らずに、自分が家にいる時だけにして欲しいということも忘れずに伝えましょう!
・これからアメリカで家探しをされる予定の方は、築年数ができるだけ少ない新しい家を選ばれると、修理の苦労は減ると思います。詳しくはこちらの記事をお読みください。→アメリカの家探しのポイント
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